現在はルロワ女史の甥であり、ドメーヌ・プリューレ・ロックの当主「アンリ・フレデリック・ロック」氏がD.R.Cの共同代表を務めます。元来、ロマネ・コンティがある辺りは二千年前のローマ時代からブドウ栽培とワイン造りが行われてきた土地。
当初から極上ワインを生み出すこの地にローマ人が『ロマネ』と名付けたのがその名の由来です。
10世紀以降は、修道院が畑を所有。18世紀初頭には、ルイ14世が持病の治療薬として
毎日スプーン数杯のロマネ・コンティを飲んでいたという逸話が残されています。
その後、この畑を手に入れようと王侯貴族が競い合った結果、
1760年にコンティ公爵「ルイ・フランソワ1世」がこの畑を所有し、ロマネ・コンティと名付けられました。
1789年のフランス革命により畑は没収されてしまいましたが、ロマネ・コンティの名は残り、今日に至ります。
今回出品の「リシュブール」特級畑は、畑の南側を
ロマネ・コンティ特級畑
ラ・ロマネ特級畑
と接しているという
これ以上望み得ない絶好地に存在します。
D.R.Cは、リシュブール全畑の45%にあたる3.51haの畑を所有。
これに続くのが、前述のラルー・ビーズ・ルロワ女史が率いるルロワの僅か0.78haですから、
D.R.Cの所有率がいかに高いかが一目瞭然です。
リシュブール特級畑の所有者は、アンヌ・グロ等いずれ劣らぬ名門ばかりですが、
合計11あり、そのほぼ全てが自家元詰しています。
今回出品の「マルセル・ゴティエ」は、日本では知る人が少なく
手にする事が極めて難しい生産者。
専門誌デキャンター・マガジン監修の
『死ぬまでに飲みたいワイン100本』
で見事4位にランクインされた
リシュブール・グラン・クリュは、
ブルゴーニュの神様「アンリ・ジャイエ」も2001年に引退するまで造り続けた銘酒。
今やこのワインは、世界で最も高価で人気のある銘品となっています。
『金持ちの町』
『濃厚な村』
を意味するリシュブールは、その名が示す通り、
リッチで、力強く、ゴージャスなピノノワールです。
『百の花の香りを集めてきたような香り』
とも表現されるほど華やかな芳香性を持ち、
バラやスミレにラズベリーにブラックチェリーなどの香りがいっぱいに広がり、土にカカオといった柔らかなニュアンスも感じられます。
1998年は、リシュブールの秀逸年。
ヴォーヌ・ロマネのどの生産者に聞いても、即答で
『素晴らしいヴィンテージ』と言う程に、
ブドウの成育がことのほか素晴らしい当たり年となりました。
熟成は、28年。
ボトル・コンディションは完璧で、ここからさらなる飛躍のカーブを描いて行く手前。
熟成するほど円熟を感じさせる妖艶なニュアンスに変化していき、
熟した果実にドライフルーツやドライフラワー、腐葉土にトリュフに紅茶などの魅惑的な熟成香も広がりを見せてくれます。
その味わいは、非常に洗練された果実の凝縮感と繊細さを兼ね備えており、シルクのように滑らかなタンニンはしなやかに構造を形成し、
美しく伸びやかな酸は味わいをまとめ、優雅な風味を伴った長い余韻へと誘っていきます。
『リッチでゴージャス 死ぬまでに飲みたい』
と言わしめるリシュブール・グラン・クリュは、
モノポール(単独所有畑)のロマネ・コンティ、ラ・ターシュ、ラ・ロマネを除けば、
造り手が望みうるヴォーヌ・ロマネ最高のグラン・クリュであることは間違いありません。